2012年5月7日月曜日

思考の転換点

「グローバル」「リーダーシップ」「ソーシャル」が自分キャリアのキーワードになるかなぁ…と最近、漠然と思っていたら。

ひっかかるものですね、情報って。

今日、立て続けに異なる視点からの記事/エントリーと出会い、自分の志向が改めて浮き彫りになりました。

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1.  仕事を続けながら名門MBAを取ると言う選択~シカゴ大シンガポール校の通学型MBAの全貌(田村耕太郎氏、現代ビジネスコラム)


記事中では、グローバル企業の日本拠点に勤めながらシカゴ大シンガポール校に「通学」する方が取り上げられています。

体力的にも、金銭的にもかなり負担が大きそうではありますが、国境をまたいで通学するという選択肢もあるのか!と目から鱗でした。

とはいえ、ここで取り上げられているプログラムは、最低3年以上のマネジメント経験を要するEMBA(Executive MBA)。「やっぱりマネジメント経験って大切なのね」と。

マネジメントの基本は「自分がすべき仕事」「人に依頼したほうが良い仕事」「どうやったらうまく人が効率的に動いてくれるか」を考えること。「自分が頑張れば何とでもなる」「なんでも自分でやる」からの脱却が必要であり、通学型MBAはそれを実経験として積みながらの勉強となる点でも魅力的だと感じました。

…と思った矢先に、こういう身も蓋もない意見に遭遇。

2. グローバル人材の幻想 - 青い鳥を追いかけるまえに、ファンタジーから目を覚ませ
(大石哲之 氏)

グローバルエリートを目指すには、英語ネイティブである必要があり、小学校からボーディングスクールに通わせ、名門校で高等教育を受けさせないと太刀打ち出来ない。ただし「技術」で勝負する場合はこの限りではないので、世界トップを狙うなら、技術や芸術の分野で勝負し、決して途中からMBAなどに行って頑張ろうと思ってはいけない、という趣旨です。

そして、日本で育ってしまった以上、欧米での経営グローバル・エリートを目指すには手遅れ。でも、アジア市場が大きくなっているので、アジア全域で活躍できる人材になればいいんじゃない、という提案がこちら。

3. グローバル人材ではなくアジア人材を目指せ - 30歳からキャリアを考える人のためのヒント
(大石哲之 氏)

日本に閉じていた人材(ドメ人材)> アジアで活躍できる人材 >でも欧米での一線級の活躍は諦める

という図式で、

・日本とアジアを繋ぐ、日本企業のアジア進出を手伝う「アジアとの架け橋のグローカル人材」になる
or
・アジアで商売できる。アジアで企業を起こせる「アジアネイティブ」あるいは「和橋」になる

として、トップを目指すのではなく、「日本以外でも食える、生きていける」という非ドメ人材を目指すことが肝心、という趣旨です。

う~ん、身も蓋もないように思えるけど、これも正論なんですよね…と思っていたところに遭遇したトドメがこちら。

4. 「グローバル企業のトップはみんな猛禽類」(松井博氏)

詳細はぜひ記事を読んでいただきたいと思いますが、米系企業に勤める身としては、薄々思ってたことをズバリ指摘されると説得力が半端なく、「やっぱりここは自分の住む世界じゃないな」と確信めいた気持ちも沸くものです。
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とはいえ、これから市場が小さくなってゆくであろう日本の状況を鑑みると、労働力市場があるところにヒトが移動するか、海外に市場を拡大できるような人材になって日本の競争力を維持しようとする必要があり、いずれの観点からしても「グローバル」は避けて通れないのです。

それに「経営エリート」の出世ではなく、普通の人生として「海外で暮らす」レベルなら、欧米という選択肢も、まだまだあり得るはず。

というわけで、一連の記事/エントリーを読んで感じたことをまとめて、今日の総括とします。

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・「グローバル」「リーダーシップ」「ソーシャル」が自分の志向である
・仕事をしながらMBA通学、という選択肢もあり得る。マネジメントも実務経験が重要
・欧米型の経営エリートになる資質は自分にはないし、希望もしない
・「世のため人のため」の仕事がしたい
・「アジア人材」か「欧米の隙間」を狙うか、どちらかはまだ分からない
・とはいえ、一般教養としてビジネスメソッドを叩きこむ機会が自分には必要

→「MBA通学」「マネジメント実務経験」「グローバル(英語)」の観点から、最善の策を選ぼう。そして、「世のため人のための仕事」とは何か、具体的に掘り下げよう。
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昨日までのボンヤリとしていた思考が、たった一日で、嘘のように霧が晴れてきたかのように感じています。いや、以前から言っていることと大筋ではブレはないのですが、具体的にどのポイントについての思索が足りないのか、自分にとって何が懸念ポイントになっているのかが明確になりました。

情報は、引っかかるときには一気にくるものなのだと感心すると同時に、思考の転換点もまた一気に訪れるのだなと実感した出来事でした。

※もしよろしければ、感想など、お気軽にお寄せいただけると嬉しいです↓

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。田村さんの記事で僭越ながらインタビューに答えている青山(仮名)です。(ちなみに、本当に本人です)

なんだかカッコいいことを記事で答えているので、自分でも恥ずかしいのですが、ご興味をもっていただき、ありがとうございます。

このプログラムは確かにマネジメント歴等の縛りがあったりしますが、実際は緩い部分もあるので、最終的な合否はその人次第ということでご理解ください。実際僕も1年程度しかマネジメント経験ないですし。

また、他に引用されているブログも読ませていただきましたが、結局のところ「So what?」ということではないでしょうか。誰がなんと言おうと、自分がやりたいようにやればいいのかな〜と。彼らが言うことは、かなり的を射ているとは思いますが。。。

まあ、現実は色々とありますが、とりあえずポジティブに挑戦していれば、何かしらの道は開けますし、少なくとも何もしないよりはずっとましかと思います。

お子様とお仕事との両立大変かと思いますが、無理なさらずに、自分のペースで頑張っていただければ幸いです。

「AND」で考えよう!って素晴らしいですね。

霜月葉月 さんのコメント...

はじめまして。わわっ、まさか青山(仮名)さんご本人からコメントをいただけるとは、思ってもいませんでした!

こちらこそ、こんなWebの世界の隅っこで展開しているブログをご訪問いただき、拙文もお読みいただき、さらにご助言までいただき、ありがとうございます!!

マネジメント歴は、そんなに厳しく見られるわけではないのですね…。コメントを拝読して、やっぱり最終的には自分の「情熱」や「信念」が決め手になるのかなと感じました。

あのう、大変不躾なお願いで恐縮なのですが、これも何かのご縁、もし今後もメール等で個別に連絡取ってみても良いかなと少しでも思っていただけるようでしたら、下記アドレスまでご連絡いただけないでしょうか?

shimotsukihazuki@gメール
(@から後ろは、gmail.comです)

もちろん無理にとは申しませんし、気が進まないようでしたら、ご遠慮なくお断りください。シンガポール通学の現実、特にご苦労されている点など、生々しいお話を伺いたいなぁなど思っておりますが、もしよろしければ、ということで…。

お仕事と勉強で超ご多忙かと存じますが、ご自愛の上、ますますのご活躍をお祈りしております!